眠りの森の住人たちは
朝日を見ることがない
彼らは昼間に睡眠をとる
周囲のものとは違う時間
世界は彼らに微笑まない
何も考えることはない
何も求めることはない
貪欲に眠り続ける
訪れる朝を避ける
時間の流れに逆らい
世界の動きに戸惑い
挙句の果てには
眠りの森へと行き着く
彼等は眠ることだけを
生きる糧としている
食べることをしない
働くこともしない
恋することもしない
ただひたすら眠り続ける
終わりのない眠りの動作
新たなはじまりを避ける
永遠の眠りを望み続ける
絶望とは違う何かを抱え
発展という行為を控え
最上を求めない
不変を恐れない
交わりを途絶えて
歩むことを止めて
彼らは眠りの森へ行く
眠りの森の住人となる
遥か彼方にあるという
眠りの森の入り口は
選ばれた者たちだけに
開かれるのである
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恥ずかしながら…少し前までは詩人といえば銀色夏生さんくらいしか知りませんでした。
最近はそれではまずいと思い、他の詩人さんも読むようにしています。
好きな詩人…谷川俊太郎、長田弘、加島祥造、茨木のり子などなど。詳しいプロフィール