相似形のロマンス
似たものは
似たものを引き寄せる
憧れではなくて
尊敬でもなくて
同じ形のものを探す
同じ匂いのものを探す
寄り添うかのように
それらは集まってくる
ありふれたものではなく
同じものにしかわからない
特別な合図をもって
少しずつ数を増やしていく
仲間には仲間のシグナルがある
似たものは似たものの様式がある
たとえ、それらのことが
周囲からは異様に見えたとしても
構うことはないのだ
流れのままに行けばいい
心のままに動けばいい
相似形のロマンス
時を経ることによって
似たものたちは形を変える
同じ形だったものは
別の形をしたものに変化する
どこにでもあった
ありふれたものたちは
いつしか純粋な結晶へと
姿も形も変えてしまう
似て非なるものたちは
もう、同じ場所にはいない
拠りどころさえあれば
居場所を選ぶ必要はないのだ
大空に羽ばたいていく
似て非なるものたちは
もう、同じ場所へ帰ることはない
相似形のロマンス
永遠の美しさを秘めたまま
たくさんの愛を抱えたまま
人々に愛を伝えていくのだ
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恥ずかしながら…少し前までは詩人といえば銀色夏生さんくらいしか知りませんでした。
最近はそれではまずいと思い、他の詩人さんも読むようにしています。
好きな詩人…谷川俊太郎、長田弘、加島祥造、茨木のり子などなど。詳しいプロフィール