上野毛という街をご存知だろうか。東急大井町線の沿線にある駅で世田谷区に属します。閑静な住宅街という形容がふさわしい落ち着いた街並みなんですよね。
今回はその上野毛の街にオープンしたパティスリーのPatisserie Kyohei mikamを紹介しようと思います。6月から甘味懐石なるものを始められたのでその内容とこだわりについて詳しく紹介していきますね。
※掲載されている情報は、記事掲載時のものです。
3/31に世田谷の上野毛にグランドオープンしたパティスリー
2023年3月31日に東急大井町線の上野毛駅にグランドオープンした「Patisserie Kyohei mikam(パティスリー キョウヘイ ミカミ)」。 2022年11月からプレオープンをしていたとのことなので満を持してのオープンですよね。
お店は上野毛駅から歩いて13分ほどの距離にあります。周囲は住宅に囲まれていて、閑静な 住宅街の中に突如現れたお店という印象すらあります。
トシ ヨロイヅカでスーシェフを務めた三上恭平氏が作るスイーツ
店名にもなっている三上恭平氏がグランシェフを務めるパティスリーは週末の金土日の3日間のみ営業をしています。テイクアウトがメインにはなりますがイートインすることも可能です。
お店の前にテラス席を設けているので購入したものをイートインすることもできますよ。天気の良い日は気持ち良さそうですね。
三上氏はトシ ヨロイヅカでスーシェフを務めた後、スイーツ専門のコンサルタントとして活動をする経歴を持っています。
コンサルタントの活動を続けながら、初の自身の店舗として立ち上げたのがPatisserie Kyohei mikamになります。
フランス菓子に和の要素を取り入れたオリジナリティ溢れる「甘味懐石」
6月から月2日間のみ提供されることになったのが「甘味懐石」と呼ばれるスイーツコースです。「甘味」と「懐石」という言葉だけ聞くと和食や甘味処といった純和風のものを想像してしまうかもしれません。
三上シェフは「従来のアセットデセールという概念ではないものを提供したかった。」と言います。最高品質のフルーツを使用して、和のテイストを織り込んだ10品の創作デザートコースとして誕生させたのです。
その10品の中から特に印象的だったデザートをピックアップして紹介していきますね。
フルーツとチーズ、キャビアのワンスプーン
最初に紹介するのは「フルーツとチーズ、キャビアのワンスプーン」です。フレンチのコースの前菜のようなメニューですよね。
スプーンの上に燦然と輝くのは宮崎産オシェトラキャビア。シロチョウザメの新鮮な卵を岩塩のみで味付けをした無添加のキャビアを使用しています。
さらにマスクメロン、りんごの王林、寒天、ホワイトチョコレートとスプーンの上に重ねていきます。
チョコレートとキャビアの組み合わせはじめて口にしましたが相性が良いんですよね。正田醤油もこの中に隠し味として足されているそうです。
日本酒のクレームダンジュ
次に紹介するのは「日本酒のクレームダンジュ」です。クレームダンジュとはフランス菓子のレアチーズケーキになります。
そのレアチーズに日本酒を組み合わせてしまうというのがまたすごいですよね。なんとシロップに広島大吟醸「幻」を使用しているというのです。
日本酒のジュレ、メレンゲ、パイ生地。さらに季節のフルーツのアメリカンチェリーと甘夏コンポートもグラスに入っています。
彩りとしてピンクのお花のエディブルフラワーも添えてあって春から初夏へと移る季節感が見て取れるような一品でしたね。
創作寿司一貫
3品目に紹介するのは「創作寿司一貫」です。お寿司ってスイーツじゃないと思った方いるかもしれませんが、これはお寿司の握りに見立てたスイーツになります。
シャリとシュー生地、ネタをフルーツにして握り寿司のビジュアルに仕上げた三上シェフならではの和風テイストの甘味になります。
デュラム小麦を使ったシュー生地に、鮮やかなオレンジ色の熊本産デコポンをたっぷり盛り付けます。さらにマスカルポーネクリーム、サワークリームも入っているんですよ。
材料だけ見るとシュークリームっぽいですが、シュークリームとは一線を画する別物かなと思いました。あくまで僕の私見でシェフに確認したわけではないですけどね。
道明寺よもぎ餅と黒ごまプラリネソース
黒い大きなお皿に盛られて出てきたのは「道明寺よもぎ餅と黒ごまプラリネソース」になります。もはや見た目は完全に甘味ですよね。
でも全てが和ではなくて所々に洋菓子の要素が入っているんです。竹炭のチュイールやカスタードクリームが使われているんですよ。
よもぎを使った道明寺粉のお餅の中には自家製の餡子が入っています。最後に仕上げに黒ごまプラリネソースをたっぷりかけて完成となります。
岡山産べにむすめの小豆、北海道産黒豆、砂糖の代わりに甜菜糖など使用する食材もこだわりもすごいんですよね。
西瓜の氷菓 貴腐ワインのジュレ
「西瓜の氷菓 貴腐ワインのジュレ」は初夏にふさわしい一品ですね。熊本産のスイカとイタリア産の貴腐ワインのジュレのコラボレーション。
ジャージ牛乳のジェラート、スイカのグラニテ、桃の果汁、瀬戸内産レモンのリキュールと夏のフルーツがふんだんに使われたひんやりスイーツとなっています。
瑞々しいスイカの果肉と芳醇な香りの貴腐ワインのジュレ。そこに桃やレモンが足されることによって複雑の味わいに変化するのです。
目の前でスイカをカットするところから調理が始まります。カウンタ越しに完成までの工程を見ることはできるのはカウンターデセールならではの楽しみですよね。
季節のショートケーキ
メインデセールとなるのは「季節のショートケーキ」です。季節のフルーツであるマンゴーをたっぷり使用した一品になっています。
まずマンゴーは宮崎県産のアップルマンゴーを使用しています。特徴としてはフレッシュなマンゴーとバターでソテーしたマンゴーと異なる美味しさを楽しむことができること。
ソテーした大きなマンゴーの下にはショートケーキが隠れているんですよね。マンゴーのソテーははじめて食べましたがバターを使うことによってより濃厚な味わいになるのです。
甘くてジューシーなマンゴーはとろける美味しさ。生クリームとスポンジはふわふわしているのでとても軽いんですよね。隠し味にアプリコットのブランデーが入っていますよ。
デザートに合わせて提供される趣向を凝らしたペアリングドリンク
甘味懐石のお楽しみのもうひとつはドリンクにあると思っています。デザートコースにはドリンクのペアリングも付いてきて趣向を凝らしたものがいただけるのです。
アルコールとノンアルコールから選べるのも嬉しいところですよね。今回はノンアルコールのドリンクをいただきました。
桃とリンゴのセイロンティーやノンアルコールのクラフトビールと青リンゴのシロップを使ったもの。京都宇治玄米茶を炭酸で割ったドリンクなどさまざまなものがいただけます。
ドリンクも目の前で果汁を絞ったり、炭酸水を作ったりと出来立てのフレッシュなものがいただけるのが素晴らしいなと思ってしまいました。
唯一無二の甘味懐石で極上の時間を味わってみませんか
Patisserie Kyohei mikamの甘味懐石の紹介はいかがだったでしょうか。今までいろんなデザートコースはいただいてきましたが、ここまで独創的で食材や調理にこだわったものはなかったように思います。
最高のフルーツと食材にパテシィエ三上恭平のアイデアが加わることによって唯一無二の甘味懐石が生まれるのではないでしょうか。
甘味懐石のコースは月2回の開催で次回は7月は10日・11日の2日間となっています。予約方法はお店のインスタグラムのDMからなのでご興味ある方はチェックしてみてくださいね。
店舗情報
店名 | Patisserie Kyohei mikami |
住所 | 東京都世田谷区上野毛4-22-2 |
アクセス | 上野毛駅 正面口 徒歩13分 |
電話番号 | 03-5491-5181 |
営業時間 | 金〜日13:00〜18:00 甘味懐石: 7月10日〜11日 |
WiFi | WIFIあり |
電源 | 電源なし |
休み | 月〜木曜 |
地図 |