何かが壊れる
何かが消える
音も立てずに
形も変えずに
壊れてしまう
消えてしまう
どんなに大切に
思っていても
どんなに必要と
感じていても
青天の霹靂は
ある日突然に
舞い込んでくる
予測することも
予知することも
誰にもできない
壊れることは
衝撃をともなう
消えることは
哀切をいざなう
感情がなければ
どんなに楽なのか
哀しみも、苦しみも
切なさも、悔しさも
生きていくのに
邪魔なものばかり
全部なければいい
身体から追い出して
感情から解放されたい
煩わしいだけのもの
面倒でしかないもの
利益をもたらさない
幸福からはほど遠い
感情がなければ
すべては無になる
無になればすべての
感情も苦悩もなくなる
代償も期待もない
絶望も閉塞もない
楽園の住人には
荷物はいらない
すべて投げ捨てて
一人の人間となる
安らかで穏やかで
欲望のない世界へ
いつかはすべて
消えてしまうんだ
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恥ずかしながら…少し前までは詩人といえば銀色夏生さんくらいしか知りませんでした。
最近はそれではまずいと思い、他の詩人さんも読むようにしています。
好きな詩人…谷川俊太郎、長田弘、加島祥造、茨木のり子などなど。詳しいプロフィール